コチョウラン[胡蝶蘭](ファレノプシス)

分類体系ラン科 コチョウラン属
原産地東南アジアを 中心にインド、オーストラリア北部、フィリピン、台湾、中国
開花時期
* * * * * 特徴 * * * * *
多年生の着生植物。単茎性のランであり、いわゆる偽球茎は持たない。
茎は短く、数枚の葉を折り重なるようにつける。茎の下部からは多数の太い根を出し、
野外ではそれによって樹皮に付着する。根の表面には海綿状の根皮がよく発達する。

葉は二列性で、扁平で中央で二つ折りになり、楕円形、茎の上でごく密接して生じ、
折り重なるようになる。
葉はせいぜい数枚のものが多い。
年を越えて維持されるものが多いが、落葉性のものもあり、花時に一時的に無葉となるものもある。
全体に緑のものが多いが、斑のはいるものもある。

花は葉腋から出るが、茎は葉鞘に覆われるので、普通はこれを突き破って出る。
花茎には数輪から十数輪の花を穂のように(総状)につけるが、花茎に分枝を出す場合
もある。
花は下から上に咲いてゆくが、全体がほぼ同時に咲くものもあれば、下から一つずつ、
時間をかけて咲いてゆくものもある。
いずれにせよ、花期は長い。

花は五弁が大きく開き、唇弁は比較的小さい。唇弁は基部で三裂し、側裂片は小さく
立ち、中裂片は突き出してやや広くなる。
また唇弁の基部に突起があり、距はない。ずい柱は短く、花粉塊は二個。

花の外形としては側花弁が萼片より幅広く、全体に丸っこい花形となり、唇弁先端が
左右にまき鬚となるファレノプシス系と、側花弁が萼片とさほど変わらないため
見かけが星形になるスタウログロッチス系とに分けられ、前者では長い花茎に
多数の花をつけてまとめて咲くが、後者では少数ずつ開花する。

なお、P.violacea等いくつかの種では、花粉媒介がすんだ後に花弁に葉緑体を生じて
緑色になり、光合成をおこなって、普通の花弁のように早期に落下しないことが
知られている。

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